2014/10/23

前の投稿で「ブレゼ」の話をしました。少し調べたらなかなか面白かったのでご紹介。

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フランス料理の加熱法は日本の加熱法にはなかなか当てはまらないので説明が難しい。

エテュベと言うのは野菜などを素材のもっている水分で蒸すこと。

ポシェは英語の表現が絶妙なのだけど、boil-less-boil、つまり沸騰させずに茹でること、ポーチド・エッグのポーチの事。但しフランス料理ではこの最初の意味が拡張されていて液体を使って低温で茹でること全般を指してポシェと言っている。例えばラードで低温で煮る「コンフィ」もポシェの一種。

ブレゼはわかりやすい説明が難しい。
日本語では良く「蒸し煮」と訳されるのだけど、日本で言うところの蒸し煮はフランス料理はエトゥファと言う。ブレゼとポワレは日本の料理には無い加熱法だ。
ブレゼの説明詳しく説明すると長くなるので、とりあえずは蒸し煮、つまり少量の水分で茹でるイメージで良いと思う。料理人エスコフィエの言葉を借りると、ブレゼと他の加熱法の違いは「毛細管現象(Capillarité)」の作用の有無だそうだ。ブレゼはあらゆる加熱法の中で最も困難でコストが掛かる加熱法とも言っている。

ブレゼの水分量は素材が半分程度浸かる量。肉料理の場合は通常ブレジエールというブレゼ専用の密閉蓋を使ってオーブンで加熱する。(ちなみに、自分はバーミキュラを使っている。この鍋はブレゼには最適だと思う。入手は8ヶ月待ちだそうだ)
肉料理以外のブレゼは正確な定義はないのだけど、少量の水分で半分は煮て、半分は蒸す、「蒸し煮」を意味していると思う。加熱は普通の鍋でコンロにかけたり、プレートに載せてサラマンドルで加熱したりと様々。肉料理のブレゼだけが特別。
ポシェの水分量だけど、とどのつまりは茹でるので素材がきちんと浸かる量の水分を使う。ポシェは意味が広いので料理によっても全然違う。

長文ついでに、ブレゼの説明をすると、ブレゼは、素材が肉の場合とそれ以外で手法が違うのだけど、肉料理のブレゼは19世紀に天才料理人カレームやエスコフィエによって確立された新技術。まず肉をブレジエールでしっかりめにリソレ(焼き壁をつくる)して、肉を取り出してから香味野菜を炒めてからその上に肉を載せ、
肉が半分程度浸かるようにフォン・ド・ヴォー等の煮液を入れて蓋をして、鍋ごとオーブンで加熱する。加熱すると肉は表面近くの水分が沸騰を始め、水蒸気の圧力で肉汁を肉の中心に向かって押し込めていく。肉の中心まで熱が行き渡って沸点に達した瞬間に水蒸気の向きが中心から外側方向に反転し、水蒸気が一気に肉を貫通して吹き出してくる。
このタイミングでオーブンから取り出し、煮液を肉に回しかけてやると、水蒸気が出た穴から今度は煮液が吸い込まれていく。(エスコフィエはこれを毛細管現象と説明している)

ブレゼが狙っているのは、肉汁と煮液が適度に交換される事で、出来上がりはシチューに煮ているのだけど、肉の食感が保たれている。ブレゼが難しいというのは、蓋を閉じた状態でオーブンで加熱するので状態を確認することが出来ない。加熱時間、温度、煮液の量等、失敗を繰り返しながら何度もパラメータを調整しながら完成させなければならない。
自分はカレーをブレゼで作ろうとしているのだけど、やはり試作を何度も繰り返す羽目になっている。

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元ネタはこちらです。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12116061587
このままだと少し読みにくかったので、少しだけ編集しとります。

料理は科学ですな〜。下は天才料理人カレームさんv( ̄ー ̄)v




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